Column

2024. 09.30 Updated

周年記念イベントにおける映像演出について徹底解説!



01 多様化する周年記念映像


周年イベントは、「感謝」の意を伝える場であると共に事業承継、中期経営計画、新ビジョンなど未来に向けた「発表の場」「共有の場」でもあります。従来は沿革を写真で辿るスライドショーの上映が主流でしたが近年では、周年映像も多様化傾向にあり、フォーカスするテーマに合わせた企業ならではの映像制作事例が増えています。
ここで映像制作を担当した周年事例をご紹介します。当初は記念式典をホテルにて開催するとのことで、イベント全体の企画提案を行っていましたが、シンプルなプログラムで実施することとなり、最終的に、周年記念映像の制作のみ弊社で対応することになりました。
映像については、代表者のインタビュー映像を新規に撮影しての編集を計画していましたが、撮影されることが苦手だということもあり、 これまでの軌跡を写真で紹介していくスライドショー形式でまとめることとなりました。スライドショーであっても、 構成やテロップ情報、ナレーション原稿によって仕上がりは全く変わってきます。 その他、主催者様から、周年記念式典を通して招待する関係者の皆様との親密な関係を築きたいという意向を基に、ナレーション原稿とテロップに知られざる社員の仕事に対するこだわりや熱意、今後の展望等も盛り込み、企業のスピリッツと未来を表現した映像事例もあります。
本コラムでは、周年イベントにおける映像の種類・手法から上映シーン別の最適な映像の長さまで周年ご担当者様が基礎知識として知っておくべき情報を徹底解説します。周年事業で映像の活用を検討中のご担当者はぜひ、参考にしてみてください。





◆周年記念映像の種類◆


02.過去・現在・未来 どこにフォーカスした映像をつくるのか?


タイプ1 過去型
創業から現在に至るまでの企業の成立ち(沿革・軌跡)を中心に構成したシナリオ。
創業以来受け継がれている企業スピリッツにフォーカスして沿革と共に紹介するケースもあります。

タイプ2 現在型
事業紹介をはじめ、パーパスなど現在の状況や取り組みを中心にご案内するシナリオ。
これまでの歴史をダイジェストで振り返りつつ、最新の取組みを中心に紹介する過去+現在のタイプもあります。

タイプ3 未来型
新規ビジョン、これからの想い、未来を見据えてスタートしている新規プロジェクト紹介など未来にフォーカスしたシナリオ。未来に実現する世界を再現したシミュレーション映像なども考えられます。



03.映像手法と効果


①当時の写真や映像
当時の写真や映像は社員に当時の記憶を想起させる、また企業史を追体験させる効果があります。特に、映像素材は観る人を引き込む効果があるため、積極的に取り入れることをおすすめします。映像素材が無い場合など、時代を表す当時の映像素材を購入してインサートする方法もあります。

② 再現映像
企業史におけるエポックメイキングな出来事を再現映像を用いて、よりドラマチックに表現する手法。役者を起用して撮影を行うほか、実際の社員出演により制作するケースもあります。この場合、コストダウンに加え、リアリティが増し、より感情移入しやすくなる効果があります。

③テロップ
テロップにはキーワードやメッセージなどがストレートに伝わる効果があります。トーク内容すべてにテロップを入れる方法とトークの一部にテロップを入れるケースがあります。またテロップには、作品のテーマやメッセージを視聴者に効果的に伝える手段、ストーリーテリングの役割もあります。

④ CG
企業が想像する未来の姿(自社製品が普及した世界等)をCGを使ってヴィジュアル化映像化することで招待者に対してリアリティのある未来を共有、イメージさせることができます。特に、立体的な映像が制作できる3DCGを使用することで、質感や色味などリアルな表現が可能です。CG活用の場合、コスト高になる懸念がありますが、シーンによっては、実写よりコストを抑えることもできます。

⑤社員参加
周年記念映像に社員が登場し、メッセージを伝えることで映像のメッセージ性が強まります。社員インタビュー映像で過去・現在・未来を表現することが一般的ですが、前述のとおり、再現映像に役者として社員が出演するケースや、ナレーションを社長自ら行うことも考えられます。今は亡き、創業者の音声データをインサートし、メッセージを効果的に伝える方法もあります。

⑥ 関係者インタビュー
社員の他にも、創業メンバー、OB、ビッグプロジェクトを共にした取引先など当事者の生の声を取り入れることで、想いや熱量、企業に脈々と受け継がれているスピリッツを伝えることができます。特に、これまでの歴史や創業以来培ってきた理念を伝える手法として効果的です。

⑦ナレーション
動画にナレーションを入れることによって視覚と聴覚に訴えることができより印象深いものになります。ナレーションを入れる場合、男性のナレーションと女性のナレーションで映像のイメージも大きく変わります。また、声の特徴でも印象が大きく変わるため、選定は慎重に行う必要があります。人気ドキュメンタリー番組やCMでもお馴染みの著名ナレーターを起用することで映像の深みが増し、クオリティをアップさせることができます。また近年では、人工知能技術を用いて、自然な音声を生成するAIナレーションもあり、当社でも活用しています。これにより、制作の手間やコストを削減することができます。

⑧BGM
BGMは、仕上がりや印象を左右する、大きなファクターのひとつで、視聴者の記憶に残りやすくする効果があります。人気楽曲については、BGMの権利確認や承諾手続きなど時間や労力に加えコストもかかってしまう為、商用に自由に使えるBGM素材サービス、著作権フリーのBGMを使用するケースが一般的です。

04.映像テイスト


①スライドショー
写真(静止画)をスライド形式で表示していく映像表現。周年映像では、沿革情報に基づき、写真とテロップで構成していきます。メリットとしてはコストを抑えた制作が可能で、デメリットとしては、作り方によって、古くさくなったり単調になりがちです。シンプルな構成のため、テロップのコピーライティングにこだわることでメッセージ性の強い作品にもなります。




②ドキュメンタリー
特定の題材を、脚色などはせずにありのままに伝える映像手法でインタビュー取材、密着取材、観察・観測により構成していきます。ドキュメンタリーテイストの場合、ナレーションやテロップを加えるほか、再現映像などを取り入れTV番組風、ドキュメンタリー番組風に仕上げるケースもあります。 リアリティや重厚感が生まれる一方で、コストや時間、手間がが掛かるなどのデメリットもあります。







05.周年イベントでの映像上映タイミングと映像の長さ

①開会時/オープニングシーン(目安:約1~2分)
イベントの冒頭で上映しこれから特別な時間が始まる高揚感や期待感を高める狙いがあります。オープニングでは、本編映像のダイジェスト的に上映することが多く、そのため映像の長さも約1分~2分程度にまとめることをおすすめします。

②ご挨拶時や歓談時の上映シーン(目安:約10~15分)
イベント全体の時間を2時間~2時間30分と考えた場合、15分を超える長さでは各種ご挨拶や食事の時間などの時間配分にも影響を及ぼしてしまいます。 また、食事の時間や歓談中は、参加者同士のコミュニケーションを妨げたりせっかく制作した映像をしっかり観てもらえないといったことも考えられるため上映のタイミングとしてはあまりお勧めできません。最適なシーンとしては、プログラムによっても異なりますが、社長挨拶の中での上映もしくは、食事が落ち着いた歓談後半や中締め挨拶の前等が良いでしょう。

③閉会時のエンディングシーン(目安:約3~5分)
結婚式ではおなじみとなった当日の模様を撮影しダイジェストで上映するエンディングムービー。現在、企業イベントでもその需要は増加し、周年イベントでも3~5分程度のエンディング映像を上映するケースが増えています。様々な立場のイベント参加者をスクリーンで映し出し登場させることで、一体感を生み・自分事としてイベントを締めくくることができます。 また当日の記録として、イベントに参加できなかった方への情報共有、次回開催時の資料として後日活用することも出来ます。


06.映像制作×イベント制作のワンストップ制作


イベントでは多くの場合、プロジェクターを使用し、スクリーンに映像を上映します。 そのため、上映する映像の仕様やサイズ、場面等を考慮した上で映像を制作する必要があります。例えばテロップ(文字)のサイズや色づかいによってはPCのモニターやテレビで映像を映し出したときには感じない「見えづらさ」を感じることもあります。もちろんスクリーンのサイズによっても適正は変わります。 16:9という画面サイズの他に、近年ではワイドスクリーンに合わせたスーパーワイドサイズの映像を制作することもあります。 イベント制作(運営)と映像制作を切り離さず、ワンストップで行うことで会場照明と映像を連動させるなど、映像をより感動的で印象深い体験に変えることもできます。


07.料金目安


タイプ スライドショー ドキュメンタリー
市場価格 30万~ 50万~
作業 編集 撮影/編集
内容 現在、所有の写真や動画を使用。
画面に沿った文字情報(テロップ)を挿入などの編集作業を行う。
インタビューや社内風景など撮影。編集を行う。


価格は、あくまで目安になります。映像は時間やコストをかければ、必ずクオリティの高い作品ができるとは限らないのが難しいところです。制作するパートナー選びが重要な のはもちろんですが、担当者の熱意によってクオリティやゲストへの伝わり方が左右されることは間違いありません。未来に向けたターニングポイントになるような独自の周年記念映像を一緒に創り上げましょう。


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